概要
どろどろとした粘液状の身体を持つ、不定形のモンスター。
流動する身体には斬撃や打撃などの物理攻撃が通りにくく、魔法や闘気を用いて対処するのが定石とされている。
ただし、身体の中心には小さな球体状の核があり、これを正確に破壊できれば、物理攻撃でも討伐することが可能である。
スライムの粘液は、必要に応じて強い酸性へ変化する。
酸性化した粘液は衣服や皮膚だけでなく、金属製の鎧さえも腐食させる危険性がある。
しかし、スライムは基本的に大人しく、自ら積極的に他の生物を襲うことは少ない。
敵と判断した相手に対してのみ、酸性化させた粘液を体内から飛ばして攻撃するため、不用意に刺激しなければ危険性は低い。
酸性粘液について
酸性化した粘液の腐食力や、対象を溶かすまでの速度には大きな個体差がある。
付着後すぐに衣服や皮膚を侵す個体もいれば、金属を時間をかけて徐々に腐食させる個体も存在する。
外見からその強さを判別することは難しいため、刺激しないことが最も安全な対処法とされる。
生態
雑食性で、動物や植物を問わず、さまざまなものを体内へ取り込む。
口や消化器官に相当するものは確認されておらず、対象を粘液で包み込み、溶かしながら体内へ吸収することで栄養を得ている。
一方で、通常の移動時には粘液が触れた草木や地面を溶かすことはない。
粘液が強い酸性を帯びるのは、食事をするときや、外敵を攻撃するときに限られると考えられている。
ただし、どのような仕組みで酸性を切り替えているのかは解明されていない。
身体の一部を切り離した場合にも、個体によって異なる反応を見せる。
切り離された粘液片がすぐに活動を停止するものもいれば、核から離れた後もしばらくの間、独立して蠢き続けるものも存在する。
成長の仕方にも大きな個体差がある。獲物を取り込むほど際限なく巨大化する個体、どれだけ取り込んでも大きさがほとんど変化しない個体、一定の大きさに達すると成長が止まる個体などが確認されている。
こうした個体差が生じる原因は分かっておらず、スライムの生態には現在も多くの謎が残されている。
見た目
どろどろとした粘液によって構成された、不定形の身体を持つ。
育った環境によって、身体の色、透明度、粘度、触れた際の感触などが変化する。
ただし、一定の形を持たない粘液状の外見だけは、どの個体にも共通している。
身体の中心には小さな球体状の核が存在する。身体の透明度が高い個体では、外側から核を確認できる場合もある。
特徴
スライムは大人しく、比較的管理しやすい性質を持つため、人為的な品種改良が盛んに行われている。
現在では、畑に生息する害虫だけを取り込む農業用の個体、排泄物だけを分解する衛生管理用の個体、指定された不要物だけを溶かす廃棄物処理用の個体など、用途に応じたさまざまな品種が存在する。
品種改良されたスライムの中でも、とりわけ希少な個体がヒーリングスライムである。
主にベルモーシア公国やグランザール森林域など、肥沃な土地と豊かな自然、清浄な水源を持つ地域で、ごく稀に発見される。
発見例は極めて少ないものの、世界全体で数体しか存在しないわけではない。
国によっては、その治癒能力と素材としての価値に着目し、一体から数体ほどを保護・管理している場合もある。
ヒーリングスライムが傷口を覆うと、粘液の内側から細かな泡が発生する。
そのまましばらく覆わせておくことで傷口が塞がるが、どのような仕組みで治癒を促しているのかは、現在も解明されていない。
ドロップ品
スライムゼリー、スライムの魔石。
スライムゼリーは、スライムの身体を構成する粘液から採取されるゼリー状の素材である。
ポーションの原料として利用できるのは、清潔な環境で管理されたヒーリングスライムから採取されたものに限られる。
一般的なスライムや、不衛生な環境で育った個体から採取されたゼリーには、同様の治癒効果は確認されていない。
スライムの魔石は、身体の中心に存在する核とは別の物質である。
その性質はスライムの生態と同様に個体差が大きく、含まれる魔力量や品質も一定していない。
魔導具の素材として利用できるほど質の高いものもあれば、魔力燃料として一度使用しただけで力を失うものもある。
外見から品質を判断することは難しく、採取後に専用の道具で調べる必要がある。
